今大切な事とは?

U様80歳半ば女性 要介護4認知症なし。うっ血性皮膚炎。蜂窩織炎。高血圧症。骨粗しょう症。側弯症。乳癌リンパ廓清術後抗がん剤治療中。重度貧血。夫を早くに亡くし、娘夫妻と同居。蜂窩織炎で加療入院、退院を機に訪問診療と訪問看護導入。介護力は長女一人で、娘婿との関係性も良好。

長女の介護負担を減らすためにディサービスの利用開始。周りが認知症の方ばかりで不満を漏らすが、スタッフとのコミュニケーションとリクリエーションを楽しむことにシフトし、欠席なく通所できていた。

長女への依存が増えていき、夜間トイレに行く時に毎回起こされてしまうことに、長女は寝不足で体調を崩してしまった。レスパイトでショートステイ利用開始。お友達がいないので面白くないと繰り返し拒否をする為、利用回数や滞在日数も減っていった。

ADL低下で、福祉ベッドや手すり等設置で自宅で療養するには良い環境でも、ベッドからの転落や転倒を繰り返し、室内でも車椅子の生活になった。癌治療で貧血が進み、疼痛の訴えも酷くなったが、高齢でもあり、癌の進行は認めず、発熱等あるが、悪化無く在宅療養を長く続けられると誰もが思っていた。

3/15に朝食時嘔吐、その後38度超えの熱発、SPO2:80と低値で低下していくため、病院、在宅医、訪看の連携は大変良く、病院に架電し受け入れ状態を確認、緊急外来に救急車で搬送するよう指示頂き、救急車で搬送。訪問医師に連絡し書類作成。

検査の結果、胸水貯留し、癌の進行が全身に広がっていた。緩和病棟に移り9日目で永眠。前日まで娘さんと談笑していたので、まさかと信じれれなかったと娘さん。「自宅に居る時は依存度の高い母から呼ばれるのを無視したり、強い口調で話したり、優しくして挙げられなかった。本当にダメな娘で、母がかわいそうです。家に帰る帰りたいとずーと言っていたのに、帰してあげられなかった。」と号泣。慰める言葉も見つからず、娘さんを抱きしめるしかなかった。グリーフケアを何度も行った。

4月に誕生日用で撮った写真が遺影で、大好きな花束を持ち満面の笑み。夫を早く亡くし、一人娘と臍帯がまだ繋がっているほど、仲良しでした。夫婦関係より親子関係が密で心配もしました。毎日優しく出来ないのが家族で、まだまだ長生きしてくれると思っていたからこそ、厳しい言葉も多くなってしまいます。ある日突然お別れの時が訪れ、悔いと喪失感しか残らない遺族の方々に、訪問看護師としてどう寄り添えば良いのか、毎回考えさせられます。一緒に泣いてもいいと思っています。(橋井)