自己管理できていると本人はお話しされるが飲み忘れが多量にでてきた事例

A様。70歳代後半女性。現病歴;高血圧・高脂血症・不整脈・膝関節変形症。

 

ご自身で以前から内服管理されている方で、ヘルパーが内服したか確認しようとすると「ちゃんと飲みましたよ。自分でできるから年寄り扱いしないで頂戴。」とお話されていた。

近くに住むご家族様が100均のお薬カレンダーがあると便利ではないかと用意したが、「薬が外から見えるのは嫌よ。」と拒否していた。

2,3日におきにお買い物に行くのが楽しみだったA様だったが、最近外出している様子はなく、「足が痛くて。」とお話されていた。

 

ある日、ヘルパーが掃除をしていると家具と家具の間に内服薬が多量に入った袋が挟まっているのを発見。

ケアマネージャーに連絡が行き、どうすればよいかと訪問ナースステーションに連絡があった。

看護師が、「一日分で何錠内服処方されていますか?」と確認したところ、2箇所受診で8錠処方とのこと。

特に高齢者は、6錠(種類)以上は多剤内服による副作用リスクが高く、今の症状に合ったお薬なのか一度見てみたいとお伝えし、後日同行することとなった。

ケアマネージャーと同行し、アセスメントしたところ、内服はほとんどできておらず、未内服による足の浮腫で、外出意欲が減退していることが分かった。

医師に未内服であること等報告したところ、内服薬は変更となった。医師は処方した薬が内服しても症状が良くならないからと増量していたことも分かった。

ケアマネージャーが、「お薬がしっかり飲めていれば元気になるから、看護師に来てもらいましょう。」と説明し、訪問看護が介入することとなる。

同行受診で主治医と連携し内服薬調整し(種類・量・回数)、一包化にしてもらった。また、「看護師さんが言うならね。」とご了承いただけた為、A様と一緒に看護師が内服カレンダーにセットするとことができた。

しばらく内服管理していくうちに足の浮腫みも取れ、外出もまた以前のように楽しむことができるようになった。(安田)