独居の方への緊急時対応

☆Ⅿ様 84歳女性 高血圧症、骨粗しょう症、側弯症、乳がん術後、下肢静脈瘤うっ帯性皮膚潰瘍。要介護4。訪問診療、訪問看護、訪問介護、通所ディサービス利用。
側弯症で歩行難、自宅は手すり捕まりトイレはいける。入浴はディサービスで実施。送りだしはヘルパーさん。KPは長女で既婚。食事の提供。看護師訪問時は長女同席。

足浴すると右脚に激痛と熱感発赤腫脹あり。「ちょっと先程から痛かった」という。蜂窩織炎の疑いあり、主治医休診日だったがドクターコールで往診依頼。
その間救急搬送することを長女に確認取り、かかりつけ病院に連絡。救急外来で受け入れてくれるとの事で、ドクター診察後、主治医が直接病院連絡する。

その間救急車要請しすぐかかりつけ病院に加療入院。診断名蜂窩織炎。重篤にならずまたADL低下もなく2週間の入院で自宅退院。退院時特指示で訪問。状態は改善してる。
タイミング良くKPや主治医との連絡も取れ金曜日の夕方でもかかりつけ病院に入院できた。
「看護師さんが訪問無かったらどうしたら良いかパニックになっていた」とKP長女。このエピソードを機会にACP会議を開催することになった。

 

☆F様 86歳女性 気管支喘息、COPD。子どもたちは既婚別居。夫が他界し独居。独居で体調崩し急激なADL低下。訪問診療導入する。

HOT利用していたが喘息が苦しいどうしたらいいかと緊急コール。KPの長男に連絡しドクターコールする。
看護師の判断で肺炎の疑いがあると報告すると救急搬送の指示。病院救急外来に連絡し救急搬送で受け入れ可能との事で、主治医に情報提供書Faxして頂き、救急車要請し搬送。

肺炎の診断で3週間の入院。退院後は病院の主治医が「いつでも受け入れるから病院に連絡しなさい」と言ってくれ、気が楽になったと元気になられ、訪問診療、訪問看護師は終了となった。
「何かあれば息子に連絡する。息子が救急車呼んで病院に行くと決めたら安心した」と仰る。これもよい緊急時対応マニュアル・ACPを家族で考える良い機会となった。

 

☆G様 83歳男性 高血圧症、高脂血症、COPD、腎盂腎炎、うっ滞性皮膚潰瘍炎。未既婚者で独居。

シルバーカーを押しながら電車に乗り電車の写真を撮のが趣味でよく出かけていた。難聴で認知症に間違えられるが認知はしっかりしていた。
自ら成人保佐人をつけていた。両下肢の浮腫が治らず、病院受診するが難治性との診断で入院を勧められるが拒否。訪問診療導入。

蜂窩織炎発症し点滴治療するが熱発。救急車要請したが、本人拒否あり断念。自宅で敗血症で永眠。
「急変しても何もしてくれるな」と言われても医療者として救急搬送し苦しみを取ってあげたいと思ったことは、余計なお世話だったようだ。

最期をどうするかご本人のご意向を確認し、医療者も受け止める事。救える命を救いたいということもご本人に説明しておく。在宅看護は人生そのものと向き合う事だと日々感じています。