B様。80歳代後半男性。現病歴:前立腺肥大症、膀胱癌。
前立腺肥大症の既往歴があり通院していたが、ある日、突然尿が出なくなり病院に入院されることとなった。尿閉と診断されバルーンカテーテルを留置し、膀胱癌は手術せず自宅へ戻る事とした。
病院の看護師が主介護者である奥様にバルーンカテーテルやウロバッグの管理について指導すると、「大丈夫そうです。自宅で管理できると思います。」とお話されて、訪問看護利用は見送りとなった。
退院されてから2週間後、奥様からケアマネージャーに連絡があり、「なんだか尿が濁っているように感じる。病院に行った方がいいかしら?」とご相談があった為、状態を見て欲しいと訪問ナースステーションに連絡が入った。
同行訪問したところ、奥様から、「病院でしっかり教えてもらったけれど、自宅となると病院みたいに何でも物品が揃っているわけじゃないし、ベッドも普通のベッドだからどうしたらいいか分からなくて足元に置いていた。それに、いつもウォシュレットで洗っているって言ってたので、気にしてなかった。」とお話あり、陰部を清潔に保清することができていない事と、自宅での管理がしっかりとできていない事による尿路感染が疑われ、受診した。
主治医から「訪問看護師に来て貰い、介護方法を教えて貰い、相談できたら安心でしょう。」と言われた。奥様は理解力や介護力は高いため、清潔保持やウロバッグの管理等を週1回で2か月程度訪問看護の介入と福祉ベッドを設置し、その後家族管理が十分であれば訪問看護を終了する予定となった。
奥様の習得度を確かめながら、トイレでの陰部の洗い方や、ウロバッグの尿の廃棄方法等基本的な管理方法の指導を行い、2か月後、ウロバッグの管理については問題なく行えるようになった。
奥様は、「不安なことがあったらすぐに看護師さんに訊けるのがとても有難いから、そのまま継続でお願いします。」とお話あったため、継続して体調確認、医療相談の為訪問することとなった。(安田)