G様。73歳女性。現病歴:急性前骨髄球性白血病・脳梗塞後遺症・認知症・胃瘻造設状態。要吸引。要介護5、C2、M。
ご主人と二人暮らし。お子さんは4人でそれぞれ独立して近所に暮らす。約三年前に自宅付近を徘徊している処を今担当しているケアマネさんが不審に思い声をかけ、自宅に送り届ける。
ご主人に話を訊き、ご主人は初めて認知症を知り、通院し治療開始する。自宅で奇声をあげ、ご近所からクレームが来たこともあった。誤嚥性肺炎で入院、急激にADL低下し、自力で経口摂取できなくなり、すべて全介助になった。熱発し血液検査したら急性前骨髄球性白血病と診断され、抗がん剤治療開始。
コロナ禍で4か月入院加療したが、家族とは全く面会できず、家族もどうなっているのかとても心配であった。介護依存度も大きく、おむつ交換、吸引、経管栄養の手技等、ご家族の負担が大きいが、ご主人は「自分で面倒見たい、妻に会いたい。妻もきっと自宅に帰りたいと思っている」と訴えられ、抗がん剤による副作用で治療継続が難しい時期に、「少し休養させてあげたらどうか、ご家族に会わせてあげたら元気になるかもしれない、ご家族との大切な時間を作り、家族で今後どうするか相談して欲しい」と主治医は、ご家族に話された。
熱発し退院が延期になったが、チームで支えながら退院した。吸引や胃瘻からの経管栄養と大変と思われたが、ご主人は難なく覚え実践していた。ご本人も退院後大変穏やかに状態も良く2泊3日の帰宅を満喫したようだった。ご主人は「どんな手がかかろうとも自宅で面倒見たい。自分が仕事で子供たちの面倒を見られなかったが、妻は子供たちをよく育ててくれた。感謝しかないのだ」とおっしゃった。
退院に関し、それそれの方が熱心に準備をし無事に病院に戻すことができた。急なご依頼ではあったが、夢の実現チームに加わることができ感謝。ご本人もご家族もチームみんな笑顔になり、次回は1週間と目標ができた。次回を待わびております。(橋井)