まさかのために・・

H様 女性 100歳 要介護5 くも膜下出血後後遺症・誤嚥性肺炎・コロナウイルス感染症・急性心不全、

長女夫妻同居。

軽度認知症はあるものの、意思疎通はしっかりでき、日中は車椅子に座りテレビ鑑賞し昼寝等もしない。難聴は無い為大きな声に「うるさい」ということもあった。排泄はトイレに行き、義歯は無く自分の歯が20本、お肉が大好きで、何でも食べられるが、嚥下状態が悪いため軟らかくして食事を行う。訪問入浴やヘルパーさん、夜間は家政婦さん、別居の娘さんが介護を行う。

高齢のため訪問医療を利用。看護師は要らないというが、主治医の勧めで継続中。ご家族がコロナウイルス感染し、ご本人も感染し、面会できなくなると在宅療養を選択。生死を彷徨うが、ヘルパーさんや家政婦さんが訪問制限し介護者を確保するのに困難を来す。訪問人数制限し、全員に感染症予防の予防着やスンダードプリコーションの指導を看護師が行い、感染症拡大を予防しケアする。連日点滴実施し、1ヶ月後に迎える100歳の誕生日をお祝いするという目標に向け、神経を使いそれぞれの役割をワンチームとして行った。
危篤状態に何度も陥ることもあったが、コロナ感染症も回復し、無事に100歳の誕生日を迎え、皆でお祝いし、ご本人はマンゴープリンを召し上がった。ちょうど敬老の日が近かったため、東京都や区からの贈り物、沢山の方々からお花やバスディカード、お祝いの品々に囲まれ嬉しそうにしていた。変調の無い時は「何かあったら連絡するから」と何度も看護師要らないと言われたが、「病気は突然になるのね。看護師さんに来て貰ってとても助かったわ。しかも毎日来てくれて、皆にいろんなことを教えてくれ、手伝ってくるし、誰も感染しないで、本人も無事で100歳迎えられたことはなんとお礼を言ったらいいか。」と喜んでくださった。自宅で最期を迎えると決め、沢山の方々の介護を受けながら、穏やかな日々を送っておられる。

元気な時は看護師の状態観察での訪問は不要と思うが、高齢者や持病(既往)のある方は些細な感染症、体調不良でも重篤になりやすいのです。日ごろから医療者の目で観察、管理や医療相談で入院予防をしましょう!(橋井)