看護師によるリハビリとは  

K様。84歳女性。現病歴:慢性心不全・腎不全、心臓弁膜症、自己免疫性肝炎、高血圧症、尿路感染症、誤嚥性肺炎、脊柱管狭窄症。既往歴:左膝関節術後。酸素療法中。要介護4。独居。訪問医療、訪問介護利用。

自宅で意識不明で倒れていた処に訪問客があり、救急搬送され入院。心不全で約3日間意識消失していたようで、約1ヶ月加療入院。寝たきり状態で、食事は食思不良と誤嚥予防が必要で褥瘡形成あった。
自宅退院後は、長女様が介護休暇を取って介護する。ご本人は介護ベッドからの起き上がりや立ち上がりが困難で、おむつ着用。歩行は歩行器利用でもふらつき、労作時息切れ出現して酸素1.5リットル送気で酸素療法中。
「やる気が出なく、寝てばかりで歩けなくなったらどうしようと思う」と訴えていた。入院中は入浴できなかったと、入浴を希望されるが、筋力低下著明で足に力が入らず、転倒を繰り返し不安が大きかった。
現病歴と既往歴が多種あり、アセスメントをしリハビリトレーニングメニューを作成した。安静状態での入院で廃用症候群が著明で、まずは筋力アップ、太腿(大腿四頭筋)やふくらはぎ(下腿二頭筋)を鍛える為に、つま先上げ・踵上げや、膝の上でボールを挟みつぶしながら10秒キープ・座位と立位を交互に繰り返す等のリハビリを週2回訪問で実施した結果、1週間後につかまりなしで、独歩に変わり、入浴時浴槽をまたぐ動作もスムーズになってきた。
訪問開始当初はHOTを24時間使用していたが、腹式呼吸法を練習したことによって、酸素飽和度が低下することなく経過し、訪問診療の主治医に報告しHOTを終了することができた。転倒時自分で起き上がれるように、筋トレ、足趾先を動かす訓練を行った結果、横になった姿勢から立ち上がれるようなってきた。

心疾患があり、入浴は観察と急変時の対応が必須なため、看護師が状態観察をしながら実施していった。ご家族やご本人にセルフケアの大切さも指導し、セルフケアも出来ていた。退院時から看護師によるリハビリは重篤患者に効果が期待できる。今後も安心安全安楽に住み慣れた自宅での生活を楽しんで送れるように支援していきたい。看護師によるリハビリが必要かどうか、ケアマネージャーさんから相談して頂き、必要としている方にサービスが届くことを願います。(鳩山)