コロナ感染症後の在宅療養とは 

U様 76歳男性 糖尿病・認知症・コロナ感染症陽性。介護認定申請中。特別訪問看護指示書発行で医療保険適用。突然熱発で救急車で病院搬送。救急処置後帰宅。

自宅療養していたが嚥下困難食欲低下あり、水も咽て飲めない、立ち上がれないと奥様があんしんすこやかにご相談に行き、すぐ支援要請あり訪問医療、訪問看護、訪問介護、訪問薬剤師、福祉用具利用となる。脱水症状と認知症の悪化で、ADLの急激な低下で点滴開始し、体力を戻し、経口摂取できるように支援する。羸痩著明、尿失禁で衣類寝具汚染あり、右大転子部に褥瘡形成。すぐに福祉ベッドと防水シーツ導入。
排尿痛でベッドから転落しベッド柵を装着、点滴開始後尿漏れが酷いためおむつ着用に変更。脱水症状の改善や呼吸状態の改善にため、連日点滴施行と口腔ケア・排痰介助、嚥下訓練、水分補給ゼリー摂取の介助、可動域低下予防のリハビリや身体保清を連日複数回訪問で行い、奥様にも介護指導を行い、チームの一員となって頂いた。
医療介護連携SNS(MSC)で連携を図り、ワンチームとして、それぞれの役割を果たしていった。情報や指示が早く、素早い対応ができた。結果的には、途中で回復の兆しが見えたが、2週間の在宅療養後「苦しくない、大丈夫」と言い、眠るように永眠なさった。

主治医も駆けつけ最期を診てくださった。エンゼルケアを奥様と行いながら、グリーフケアでいろいろな思いを伺った。ご家族は「お父さんにやってあげられる事は全部できたと思います。家で看取れて本当に良かったと思います。大変な思いをして初めて地域のサービスを知りました。手を貸してくださった皆さんがいなかったら、心が折れそうな時が何度もあり、助けられました。本人も苦しまずに、本当にありがとうございました。」と笑顔で話された。

訪問看護師として求められる事や目標を共有し、限られた時間で行動し、どんな言葉で地域に発信して行くかを考える機会を与えてくれた事例でした。今後も安心、安全、安楽、安寧に住み慣れた自宅での生活を楽しんで頂けるように支援し、情報発信して参ります。(鳩山)