どうしても自宅で介護したい。

G様。73歳女性。現病歴:急性前骨髄球性白血病・脳梗塞後遺症・認知症・胃瘻造設状態。要介護5。寝たきり。夫と二人暮らしで夫が主介護者。子供は4人。既婚者で近隣在住だが日々の介護力ではない。夫も肺の難病患者。白血病の化学療法中。

コロナ禍で全く面会できない状態に、会えないもどかしさから、自宅で面倒見られないだろうかと主治医に相談し、病院からケアマネさんに相談あり、ケアマネさんが訪問看護師に相談し、何んとかご主人の気持ちを後押ししてあげたいとチームで協力して、2泊3日の退院をして試みた。感染させないように最善の注意を払い、痰の吸引や胃瘻管理は病院で研修を受けたが、実際は手技が出来て居ない為、手技の指導抗がん剤投与と健康観察、ご主人の精神的フォローを行った。2回目の退院は1週間、3回目は10日4回目は14日5回目は10日間の退院で、退院するたびに顔の表情も良くなり、無事に化学療法終了し、4回の自宅退院の練習を終え退院に漕ぎ着けた。

仮退院中は特別訪問看護指示書で日に複数回訪問でフォローしていたが、本退院では週三回の看護師訪問と訪問入浴のサービスが入り、ご主人がやりたかったような介護でフォローしている。ご主人もだいぶ介護が慣れてきているので、車椅子をレンタルし、看護師訪問中は車椅子に移乗し、足浴手浴、胃瘻からの食事を行っている。起床していると心肺機能が向上し、状態が改善されることと、昼夜逆転の改善を図っている。無表情で発語なく寝かされていた時と違い、自分で体動し、顔の表情がにこにこするようになった。ご主人が「病院に預けて元気なよりは、ダメでも家族がいつでも会えるようなところで、今まで苦労ばかりかけたので自分が看病したい。」と切望されたことに心動かされ、病院の皆さんと地域のケアマネさん、訪問看護が可能性を信じて始めた退院だった。

御主人、病院スタッフ、在宅訪問医療、ケアマネさんや看護師も自信が持て、多くの可能性を信じて、ケアを行っている。先日念願の車椅子で外出もできた。「無理、可能性ないから始まらないのではなく、どうしたらできるかから始める看護支援」で皆様の笑顔が輝いていられるように「決してあきらめない看護」をこれからも続けていく所存です。まずは何なりとご相談ください。お待ちしております。(橋井)