集中ケアで潰瘍改善

L様。84歳女性。現病歴:うっ滞性皮膚炎 皮膚潰瘍 浮腫 頚髄損傷 骨粗鬆症。要介護2、独居。全身皮膚乾燥著明で脆弱、皮膚潰瘍にて皮膚科を訪問開始1か月前から通院中。訪問開始10日前より両下肢にうっ滞性皮膚炎の診断が加わる。ステロイド剤の使用と下肢挙上で経過観るも下肢の浮腫み軽減なく弾性包帯の処置が必要となる。その為今回は特別訪問看護指示書発行の医療保険でのケア介入へ。

訪問看護が入る前はヘルパーさんや訪問リハビリを利用。介入当初は両下肢に浮腫が生じており、潰瘍のある左下肢からはリンパ漏が見られた。シャワー浴で保清をご自身が行った後、潰瘍部にゲーベンクリーム塗布し、発赤部位にはステロイド塗布,皮膚乾燥にはヒルドイドローション塗布し弾性包帯で処置。これを毎日継続。処置開始から10日ほどで浮腫み軽減。医療保険で連日訪問のため、訪問リハビリのご利用が出来なかったこともあり、医師と相談して、改善したところでROM訓練などリハビリ開始。潰瘍部の肉芽形成が落ち着くまで特指示を14日間延長した。

食事・飲水指導行い、処置とリハビリ継続。看護師が行うリハビリが分かりやすいとご自身でも自主トレを行い、積極的に取り組まれる姿が見られた。毎日保清に努め、全身観察、創傷処置することで介入より約20日で潰瘍部の不良肉芽にも改善見られ、セルフケアできる様になりケア終了。最初はケア方法、経過に戸惑いも見られたL様も看護師と共に毎日ケア方法や疑問解決により、状況改善でき状態悪化せず経過した。28日間の特別訪問看護指示期間終了と共に、ご卒業となった。

皮膚科受診後すぐにケアマネさんが短期で集中して訪問できないかご相談してくださいました。主治医と相談し特別訪問看護指示書を発行し、訪問介護さんのお力もお借りしながら、介護保険と医療保険を併用し成功した事例でした。ご本人を中心に地域包括ケアの集中ケアで重篤にならず回復でき、在宅で安心安寧に生活できる様切望致します。