D様 女性 70代 脳梗塞後片麻痺軽度あり 認知症 息子夫婦と同居中 訪問介護、通所デイサービス利用中
「現在ヘルパーが週2回入浴介助で入っているが、血圧が高く入浴の判断が難しく、また、洗髪を拒否されると報告あり。息子が主介護者であり一生懸命介護されている分、指示動作が入らないことで母親に怒鳴ったり、強く当たってしまうとのこと。」とCMから連絡あり、入浴介助で週2回介入する。
息子様からは「降圧薬を飲んでもたまに170mmHgくらいになる。よく転倒することもあり介助してほしい。母の病気について色々と調べ自分なりに頑張っているが、強く言ってしまうからか母が委縮して自分に話さなくなったので母とたくさん話してほしい。」と硬い表情でお話される。
医師と連絡を取り、現在の血圧の推移を報告し、血圧がいくつ以上で入浴中止するのか指示をいただく。息子様や訪問介護との連絡用のノートを作成し、介護の不安や困っていること等なんでも記載していただくよう説明する。
血圧は高いが自覚症状なく、状態を見ながら入浴でき、入浴や洗髪は拒否なく始終穏やかで過ごされる。
脳梗塞後遺症にて失語症があり発語に時間がかかるが、徐々にたくさんお話してくださる。
「息子や嫁には感謝しかない。息子は私が話さないことを気にしているけれど、話したり理解するのに時間がかかるだけ。私の血圧を気にして薄味のものをわざわざ作ってくれたり、丁寧にメモを書いてくれたり、本当にありがたいと思っている。」とお話あり、ノートに記載しCMにも報告する。
「息子様は一生懸命介護をされている反面、母は嫌がっているのではないかと悩んでいる様子だった。定期的に連絡しているのでご様子伺ってみます。」とのこと。
後日息子様から、「母の言葉を聞きました。仕事で忙しいと強く言ってしまって後で反省することもあり、母がどう思っているのか不安だった。こうやってノートで情報共有できるようになり、ヘルパーや看護師がどうやって母と関わっているのか、どういったところを注意して見てくれているのか分かり、自分もそういった対応を取り入れることができた。一生懸命がむしゃらにやろうとして疲れてしまっていたから、そういったコツも教えてもらえて少し優しく接することができてきた気がする。心が折れそうな時もあったが、相談できる場所があると本当に心強いです。」と、穏やかな笑顔でお話されていた。(安田)