急な訪問看護依頼でも・・感謝!

D様。50歳代後半男性。現病歴:膵臓癌末期・転移性肝癌・脳転移。抗癌剤投与治療中。介護申請なし 独居。認知症なし。ADLは急激に低下。癌発見から1年。地域包括支援センター・CM介入なし。

大学病院から「緊急依頼で明日から訪問して欲しくて、いつも急なお願いですみません」という依頼があり。急激なADL低下で、自宅アパートで転倒を繰り返して高齢の大家さんが病院に連れて来たとの事。
検査の結果、全身転移で手の施しようが無い状態で、早々に看護師が訪問したが、病識無く、周りが病人にするだけで、一時的な事だから2週間入院させてくれれば、何とかなると言う。

2年前にお母様も癌で他界。治療出来ない病状の患者様を入院させる事の難しさ、メンタルケア重視を考え、緩和病棟の病院を探し、病識のない患者を面接に通過出来るのか、身元引き受け人は大丈夫か等々、ハードルがとても高かったが、大学病院のMSWさんがとても熱心な方で緩和病棟に送り出す事が出来た。折りだす当日アパートに立ち寄り部屋から貴重品を持っていく手伝いをした。本人にもう自宅に戻ってくる事は無い事を伝えると、少年の様に「そうなんだ!」と吐き出す様に言い、何らかの奇跡を信じていたようだった。この日から丁度1ヶ月後の朝旅立った。
元気な頃は音信不通になっていたというが、この1ヶ月は連絡をとっていた様子。お見舞いに来られないご家族にショートメールで様子を報告していたが、ご家族様からのショートメールが届く。
『色々と本当に有難うございました。看護師さん、病院の方々、大家さん、本当に感謝しかありません。病気になって、でも沢山の優しい出会いがあったとそう思います。どれだけ皆さんに助けて頂いたか。本人にしてみたらまだまだ夢を持っていたので悔しさでいっぱいだとは思います。

私もまだ信じられないでいます。でも、やっと大好きだった母親に会えるかなと思うと少し心が柔らかくもなります。彼の母親が亡くなり実家にしばらくいた時、「陣中見舞だよ~」と私が持って行ったお弁当に「ありがとー」そうとびきりの笑顔で言ったあの時のカオが頭に焼き付いています。私の中に残る彼のカオがその笑顔で終えられた事だけが、救いです。

本当にお世話になりました。有難うございました。お支払等、滞っているもの等ないでしょうか。何かありましたら、仰って下さい。
看護師さんもこれからもこの大変なお仕事をされて行くのだと思いますが、どうぞお身体には十分お気をつけ下さいね。そして〇〇は勿論、優しい方と出会えて本当に私は安心し救われました。』 お役に立ててありがとうございます。感謝です。
 

どうぞこれからも沢山の方の力になってあげて下身元引き受け人は大丈夫か等々、この方はハードルがとても高かったのですが、病院のMSWさんがとても良い方で緩和病棟に送り出す事が出来ました。もう戻。(橋井)